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あのあと遼は、スペアの衣装で収録してたけど、やっぱり担当の人に怒られたみたい。
収録が終わって、みんな着替えて帰ろうとしたとき、遼が僕んとこにやってきた。
「元太くん、ありがとう」
その言葉に、僕はびっくりした。だって、間に合わなかったんだし、てっきり、文句を言われると思ったから、その言葉は意外だった。
「なんでお礼言うの?僕、お礼言われることなんて・・・・・」
「元太くんいなかったら、僕、一人で泣いてたもん!元太くんが樹音ちゃんとか呼んでくれたんだし」
遼はニッコリ笑顔で、僕に抱き着いてきた。
「ありがとう、元太お兄ちゃん!」
元太・・・お兄ちゃん、僕が・・・・お兄ちゃん⁉
こんな甘えん坊な僕でも、お兄ちゃんになれるんだぁ。その日から、僕と遼の距離はグンっと縮まった。多分・・・・・。
おわり
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