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*蓮SIDE*
入学試験で一位だった人が辞退したから、と頼まれた新入生代表挨拶中
俺のことをキャーキャーいう女達の中、俺をただじっと見つめている女の子がいることに気づいた―…‥
ただ、じっと、
俺を見ているだけ
俺は挨拶をし終えると、元の席に戻った
そう、その女の子の隣―…‥
席に座っても尚、俺を見続ける彼女は
どこか、王女の面影があった―…‥
肩につくくらいの黒髪に、ぱっちりな真っ黒な瞳でも、まるで―…‥
俺は、前世の記憶を持って生まれた…‥
あのときは、王女を
大切な姉を、守るために死んだ―…‥
前世に悔いはない、だって、“彼女”を守るために生きて、死ねたのだから―…‥
俺が小声で、話しかけると、彼女は口を開いた
その声が、王女そっくりの声で、俺は少し驚いた―…‥
け、ど、俺は冷たい態度を取った
“リン”がここにいるわけない―…‥
どうせ、こいつも、他の女と同じ、俺の見た目だけしか見てだろう…‥
このときの俺は、これが“再会”なんて、思ってもいなかったんだ―…‥
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