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ロマーニャにて
ロマーニャ
「これだけあれば、十分かな?」
どうも、テルルです~。今、僕はロマーニャにあるお店でガリアに送る援助物資を選んでいるところです。
「ほんとはもうちょっと送りたいところだけど、お金もないしなー……。また働かないとだめかな」
といっても、世の中は戦時中。そう簡単に見つかるはずがないのはわかっています。
「まぁゆっくり考えればいっか~。……ん?」
ふと外を見ると、見覚えのある子が荷物を持って歩いていた
「あれはたしか……よし、行ってみよう♪」
支払いと配達の手続きを済ませてお店から出て、さっそくあとを追うことにした
広場
「たしかこっちにきたよね? ん~……あ、いたいた! 芳佳さ~ん!」
僕が呼びかけると、少し離れたところにいた少女が僕に気づいた―――
芳佳side
「?」
私を呼ぶ声が聞こえたので後ろを振り返ると、そこには一人の青年が立っていて、私に向かって手を振っていた
「え? あれって……たしか中学校に少しの間いた先生、だよね?」
うん、間違いない。他の先生たちよりもずっと分かりやすい授業をしてくれていたことと、独特な雰囲気があったからよく覚えている。
「テルル先生~、お久しぶりです~!」
そう理解し、すぐさま青年に呼びかけて駆け寄っていった―――
芳佳side end
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