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荒い呼吸を繰り返したまま、吐き捨てる。
「 」
有り得ない。
今度はそう言った。空気は振るえないが、俺の中には響いた。
言葉が向かうはずだった対象を手に取る。
コップに見えるぐらい小さなゴミ箱。小銭で買ったものだ。普通に売られていた。別に魔法使いにもらったわけでも、絵本から飛び出してきたものでもなくて。
「 」
おもちゃだろ?
これはおもちゃのはずだろ? なのに、なんで声が出ない?
夢か。安直に考える。頬を引っ張った。痛い。かなり痛い。
「 」
覚めろ。
夢から覚めろ。覚めろ。
願ながら引っ張る。千切れるぐらいまで引っ張った。
頬に熱が集まる。触れるとジンジンと痛い。
「 」
夢じゃない?
ははは。肺の中の空気を吐き出す。笑えたように俺の耳には聞こえた。
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