ピアノ

2/5
前へ
/5ページ
次へ
50過ぎくらいの女の人が、エリーゼのためにの、最初の部分をなんどもなんども弾いていました。 私は、耳障りで、その女の人の近くに行って、 「やめてください」 と、言おうと思いました。 女の人の近くに行くと、弾いている手は震え、ポタポタと、なみだが鍵盤や手の上に落ちていました。 ふと、顔を見ると、女の人は泣いていました。 「どうかしたんですか?」私は小さな声で、尋ねました。 「この曲は、私の娘の大好きな曲なんです。」 そう言って、弾き続けました。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加