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「生きていたら、あなたと同じくらいになります。隣に座ってください。私のピアノを聞いてください。」私は、女の人の隣に座りました。
女の人は、両手を強く結ぶと、祈るように深く目を閉じました。
そして、さっきまで手は震えていたのに、まるで別人のように、スラスラとエリーゼのためにを弾きはじめました。
この曲は、私も好きでなんども聞いたことがあったけれど、こんなに美しく、切なく、きれいな曲なのかと思いました。
女の人は、ひとつも涙をこぼしませんでした。
真剣に、ただひたすらピアノと向き合って弾き続けました。
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