幼少時代

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なかでも一番好きだったのは、『不思議の国のアリス』 私は毎回このお話を聞き終えた後、おばあちゃんに同じ質問をしていた。 「ねぇ、おばあちゃん?」 「なぁに?」 「どうしたらアリスになれるの?私も不思議の国に行ってみたいよぉ。」 そう聞くとおばあちゃんはちょっと笑いながらこう言う。 「アリスになれるチャンスは誰にでも、いつでもあるんだよ。だからそのチャンスに気付いた人がアリスになれるの。」 「ふーん…?」 おばあちゃんはこれしか言わない。でもその目は、なぁんでも知ってるんだよっていう目をしていて―…。
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