著者による前書き

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私は親日でも反日でも、親韓でも嫌韓でもない。 単に失敗した出世主義者である。 私が親日に見えるのは、大日本帝国の権威に依拠して出世しようとしたからに過ぎない。 私が生まれた時は、韓国という国はなかった。私は国籍で言うなら生まれた時から日本人で、35歳からまた日本人である。日本人であった期間の方がはるかに長いのである。 そして、韓国は、長すぎた封建制を自分で打破して成長する力がなかった。実に韓国の自由主義は、日本が種をまき、成長し続け、曲がりなりにも民主主義と言えるものが誕生するまで、80年かかった。 韓国の民主主義はまだ20歳なのである。 朝鮮半島の北半分は未だに封建制を卒業出来ていない。 その中にあって、身分も家柄もない朝鮮人の半分は、日帝内部の成功者になることに、人生の目標を据えた。私も、そのひとりだったに過ぎない。 だから、私たちは、日帝の勝利を心から願った。 激しい競争社会であっても、非両班にとっては、競争に参加出来ることが幸せだったのである。 既得権益を失った両班を除けば、皆日帝を歓迎したのである。 そして非両班は、人口比率では圧倒的多数であった。 だからこそ、日帝は、こと朝鮮支配については、あの程度の軍備で足りたのである。 日帝は、嫌がる朝鮮人を軍事力でねじ伏せたのではない。 朝鮮半島に日本軍はもちろんいたが、本土は言い過ぎでも、準本土として日本軍がいたに過ぎない。
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