No.1 始まり

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クラスが掲示されているボードの前まで来るとやっと栗原さんは口を開いた。 「あ、あの、翔さん・・・あ、赤凱さんはいいんですか?」 「ん?あぁ・・・別にいいんだよ、男だし・・・。栗原さんは特にかわいいから気をつけるんだよ?」 栗原さんは先程の私の態度を見て心配してくれてたみたいだが、それより私は栗原さんに念押しした。それの言葉に何かを察してくれたのか小さく頷いた。 しばらく二人でクラス表を眺めていると、隣で栗原さんが嬉々とした様子で話しかけてきた。 「翔さん!私達同じクラスですよ!」 そう言いながら栗原さんが指差す方を見ると確かに1-Aに二人の名前を見つけた。 「・・・あっ、本当だね?じゃあ教室でも一緒に居られるね」 栗原さんに笑いかけると嬉しそうに笑いまた人ごみの隙間を縫って校舎の方へと向かった。
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