No.1 始まり

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「お前、俺らが先に声を掛けたんだけど? 何様だお前?」 黒い髪を乱雑にワックスで固めた男が睨みながら腕に力を込めてきた。 「うっせーんだよ、栗原さんが困ってるだろ男が。」 掴まれた腕を振り払い睨んだ。 栗原さんを立たせて歩き出そうとしたら肩を掴まれた。 「てめぇ・・・嘗めてんのか・・・チビ男!」 ・・・・・・ブチッ 「誰が・・・・・・男だゴラアァァー!!」 頭部の側面に思いっきり蹴りをいれた。 綺麗に蹴りが入り男が机を薙ぎ倒しながら倒れていった。 「勝(ショウ)さん!?」 一緒に居た男の二人が駆け寄ったが、勝と呼ばれた男は完全にのびていた。 教室中に居た人達は唖然とし、こっちに注目していた。 (・・・出来るだけ目立ちたくなかったのにな) 平然を装いながら栗原さんの手を握るとその場所から逃げるように教室を出て行った。 教室のしばらくざわついていた。 「あいつ・・・いい体持ってんな・・・」 誰かがぽつりと呟いた。
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