No.1 始まり

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「か、翔さん・・・?」 手を繋いだままずいずいと廊下を進んでいくと少し息を切らしながら声をかけてきた。 私結構な早さで歩いているのを気付き慌てて手を離して止まった。 「ご、ごめんね栗原さん!手、痛かったよね!」 「だ、大丈夫ですよ?それより助けて頂きありがとうございました!」 人目も気にせずに廊下のど真ん中で深々と頭を下げられた。 「全然気にしないで!私ああゆう奴ら大っ嫌いだからさ!」 握りこぶしを作り、へらへら笑いながら再び二人で歩き出した。 「それにしても・・・栗原さんはかわいいんだから気をつけなきゃ駄目だよ?」 そう言うと、顔を真っ赤にさせながら首を横に激しく振った。 「そ、そんなことないですよ!翔さんのほうがずっとかわいいしカッコイイですよ!」 「か・・・かわいい!?」 「そうですよ!かわいいですし、カッコイイです!」 カッコイイはあったかも知れないが、かわいいなんてほとんど言われたことがなかった為、思わず大声で聞き返してしまった。 「えっと・・・まあ・・あ、ありがとう・・・」 かわいいと言われ恥ずかしく思い、顔を赤くしながらお礼を素直に言った。
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