No.1 始まり

28/30

60人が本棚に入れています
本棚に追加
/188ページ
「んなもん俺に聞かれてもわかる訳ないだろ。 向こうのミスかお前ん所のミスだろ」 「うぐ・・・」 確かにあの親ならありそうだな・・・ 「ど、どうにかなりませんかね・・・?」 ホスト教師の服を掴みながら見上げた。 「・・・・・・」 「・・・・・・?」 「・・・・・・俺は男を抱く趣味はない」 「はぁ・・・!?」 暫くの間そのままの体勢で見合っていたが、きっぱりと意味のわからない事を言われ目を逸らされた。 「一体誰が抱いて欲しいと言った!と言うより誰が男だ!私はれっきとした女だ!」 下から反抗したがそれでも目を逸らしたまま向こうは無視して、思い出したように言ってきた。 「お、そういえば前の卒業生が置いて行ったスカートならあるぞ?」 「本当ですか!ください!」 先程の態度と変わり、目をキラキラさせながら服を掴んだまま見上げた。 「・・・確かあの袋に入っていたはずだが・・・」 視線を移しごちゃごちゃした机の上の紙袋を見ると、直ぐさま手を離し手に取った。 「これですね!では頂いて行きます!ありがとうございました!」
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加