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「あ、俺の名前知らないよな?
俺の名前は斎藤建(サイトウケン)って言うんだ!
よろしくな!」
「あ、うん・・・」
ニコニコと笑いながら手を差し出してくる相手に恐る恐る手を出し握手をした。
斎藤と言う奴は不良と言うより爽やかなスポーツマンに見えた。
黒色の短髪に適度に引き締まった筋肉質の体格がよくわかる。
ぼーっと顔を眺めていたら声を掛けられた。
「なあ、星崎ってスポーツかなんかしていたのか?」
「へ?いや・・・何もしてないけど・・・」
「そーなのか?昨日の凄かったからさー!」
手を握ったまま笑っていたが、
あ、喧嘩してますから。
なんて絶対言えねーし!
「あー・・・元々運動神経いいほうだからさー・・・」
ごまかすように笑うと、ハッと気付き慌てて手を払った。
「え、どうしたの?」
斎藤は手を振り払われたことに驚いたのかオロオロしている。
「・・・ごめん」
私は一言だけ呟いて席を立ち教室を出て行った。
「え、星崎さん!?」
斎藤は慌てて追い掛けようとしたが、一人ですたすたと早足で出て行った為追い付くことが出来なかった。
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