No.2 個性的な人達

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「くそっ・・・あいつめ・・・っ」 顔のほてりが冷めないまま階段を下りていていると、栗原さんがキョロキョロしながら歩いていた。 そして私を見付けるととことこと駆け寄ってきた。 「星崎さん何処に行っていたんですか! 授業終わって見たらずっとみえなくて心配したんですよ!」 何も言わずに教室を出て行ってしまったので栗原さんに申し訳ないと思い素直に謝った。 「それに斎藤くんも心配していましたよ?」 「あ、そうだよね・・・」 目の前で勝手に出て行って行ってしまったことに対して、教室に戻ったら斎藤にも謝ろうと決めた。 「それにしても昼休みまで何処にみえたのですか?」 少し眠るつもりがいつの間にか4時間分寝てしまっていたらしい。 「んー・・・ちょっと寝てた」 苦笑いしながら答えると、少し驚いたような表情をした。 しかしそこにはあまり触れられる前に話を変えた。 「寝たらお腹すいちゃったし一緒にご飯食べない? 」 そう言うとすぐに顔を明るくして手を握られた。 「本当ですか! ここの学食って美味しいらしいのですよ!」 嬉しそうに握った手を引きながら歩く栗原さんの後ろを大人しくついて行った。
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