No.2 個性的な人達

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「はいはいっ!」 おばさんは返事をすると奥へと入って行った。 その間にポケットから財布を取り出してお金の準備をした。 「はい。おまちどおさま」 奥からお盆に乗った湯気が立ったカレーを持ってくると台の上に置いた。 「あ、ありがとうございます!」 にっこり笑いながら小銭をちょうど分を手渡しするとおばさんは少し驚いたような表情をした。 「こちらこそありがとうね」 優しく微笑み返されたが何故御礼を言われたのかわからなかったが一礼してお盆を持って行った。 「えぇっと・・・栗原さんは・・・」 「お前何やってんだよ!」 お盆を持ち人の間を潜り抜けて探していると前方から怒鳴り声が聞こえてきた。 「あ、あの・・・すみません・・・」 興味本位で近寄って行くと、怯えたような女子の声が聞こえた。 「どうしてくれんだよこれ!」 「す、すみません・・・弁償しますから・・・」 小柄な女の子が震えながら床に座り込み、そしてその目の前には服を茶色に汚した男が立っていた。 見た感じ女の子が男に誤ってぶつかってしまったというような状況だった。 (まあそのうち先生くるよね・・・) そう思い再び栗原さんを捜しに行こうとした。
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