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「かなちゃん達ばっかりずるいじゃんかよー!
あ、で俺の名前は照!稲垣照(イナガキテル)!ちなみに会計でーす!」
ニコニコと笑いながら握手をされた。
元気なヤンキーという感じがした。
太陽のようにキラキラした金髪を軽くワックスで撥ねさせ、片耳にピアスと両手にブレスレットや指輪を幾つもしていた。
身長は175cmぐらいでブレザーのボタンを全部はずし中のカッターシャツがだらし無く出て、筋肉もしっかり付いている。
「ほしちゃんよろしくね!」
ニコニコ笑ってくる照だったが握られた手をさりげなく解いた。
「・・・ほしちゃんってなに?」
「星崎翔だからほしちゃん!」
そう言いながらにっこり笑った。
「・・・」
「すみません。照は誰にでもあだ名を付けるんですよ」
「違うし!誰にでもじゃないよー!
好きな人にしか付けないし!」
奏さんが弁解してくれたが、照が反論している。
その光景を見ながらとりあえず手に持ったティーカップを一口含むとふんわり甘い香りがした。
中身の紅茶を飲んでいると自然に表情が安らぎ、緊張が解れてきた。
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