始章

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「ごめんっ、」 俺は美鈴の顔を見るなり土下座でもしそうな勢いであやまった。 「い…いいよべつに……鍵をかけてなかったあたしも悪いんだし……」 美鈴は顔を真っ赤にしながらもとりあえず許してくれた。 「そ…それであたしに何か用があったんじゃないの?」 美鈴は早く着替えを見られたことを忘れたいのか話題を変えてきた。 「まあべつにたいした用じゃないけどケチャップを買ってきたって言いにきた」 俺も話題を変えてくれるのはありがたかったのでまだ顔を少し赤くしながらも答える。 「わかった、ありがとう。それじゃー今から晩御飯作るね?」 「俺、何か手伝うことある?」 「うーん……あっ、それじゃー野菜洗ってくれる?」 「いいよ、それくらいならできる」 俺達は少しぎこちないながらもいっしょに料理を作ることにした。
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