始章

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「それで今どれくらいの人が捕まってた?」 美鈴がアイコ達にそう言った。 「もうクラスの半分は捕まってたなぁ」 「檻には先生が魔法をかけているらしく中にいる連中がどんなに攻撃しても傷一つついてなかった」 秀樹、凜の順番で答える 「やっぱりつかまったら逃げられないみたいだね……」 美鈴はそう言って黙ってしまった。 何を悩んでいるのだろう? 「なあ美鈴、」 「なに?」 「捕まったら逃げられないなら捕まらなかったらいいんだろ?」 …………………………… なぜか皆(アイコ以外)が俺を冷たい目でみてくる。 ……俺何か変なこと言ったか? 「ユート、僕達は今どうやって山下先生から逃げきるか考えてるんだよ」 ヒデが俺に言ってくる。 「美鈴、あいつは馬鹿なのか?」 「ユートはバカって言うよりなにも考えてないんだよ」 「なるほど……考える知能がないほど馬鹿なのか」 俺だって考えるくらいできるは! 「ユーくんはおバカさんです!」 アイコっ、お前にだけは言われたくない! 「まあユートは頭使うの苦手だし、これからどうするかは僕達で決めよう」 ヒデ……その言葉、なにげにひどいぞ。 グゥゥ~ 音のしたほうを見ると美鈴が顔を真っ赤にしてお腹をおさえていた。
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