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センチメンタル
仕事帰りの
駅前のカフェで
来ることの無い人を待つ
ロータリーには
沢山の家路を急ぐ人の波
少しずつ濡れ始める
アスファルト
次第に傘の花が咲き始める
耳元から聞こえる
軽快なリズムに
合わせたかのように
行き交うヘッドライト
もう少し強かったら
肩を寄せ合い暮らすことが出来たのだろうか
それともあの時
ノーと言えたなら
こんなに心痛む事は
無かったのだろうか
振り返っても
仕方のない事を
あれこれ考える
今の自分に
何が出来るのだろう
信号がまた赤に変わった
明日の楽しい事を
考えなさいと
グラスの氷が
涼しげな音をたてる
少しセンチメンタルな夜
なるようになると
奮い立たせる
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