第一訓 持つべき者はそれなりに友達

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「…で、職務質問って?」 二丁目(万事屋(三丁目)と真選組屯所の丁度真ん中の地区)にある緑の瓦が見栄えが良い二階建ての木造家屋。そこが由生の家だ。 近所には民家は十数軒あるが、そのほとんどが空き家。だから人通りがチラホラとしか見えないのだ。 …ちなみに、どっちかと言うと万事屋の方が近かったりする。 「最近巷で騒がれてる人斬りについて知りてーんだが…この辺で怪しー奴見なかったかィ?」 「怪しー人?」 「うちの監察が探ってんだが…何度も二丁目の辺りで消えるらしーんでィ」 「んー…佐藤さんは働き詰めだし田中さんはおじいちゃん。鈴木さんはおばあちゃんだし高橋さんは気さくなおばさん…斎藤さんは今本家に帰ってるし…。ウチは総悟も知っての通り、軽食屋やってるしね。 二丁目には怪しー人、居ないよ」 「…そーですかィ。 由生がそこまで断言するとなると…捜査は振り出しに戻っちまったねィ」 「………そんなに大変なら、手伝おっか?」 「マジでか。 そりゃ嬉しーや。正直、お手上げだったから由生に手伝ってほしかったんでィ」 「手伝うのは良いけど、今までウチの奢ってあげた食事代…払ってよ?」 「あー、それなら後で土方さんにでも捜査協力料金とか言って貰って下せェ」 そう言って残っていた料理をたいらげ、由生を乗せていく車を山崎に持って来させようと伝える為、携帯を取り出した。 その時にふと目を上に向ければ、なんと指名手配中の桂が卵焼きを食べようとしていた。それを見た沖田はすかさずバズーカを何処からともなく取り出した。 「え、ちょ…此所ウチの家…」 「カーツラぁぁぁああ!」 ドォォン! …ばっ 「くっ…もー少しで由生の手料理を食べれたものを。食べ物の恨みは恐ろしいぞ、真選組! 由生、後で俺にも手料理を頼む」 「あ、ヅラ」 「ヅラじゃない、桂だ!」 「由生、先に屯所に行ってな。俺はつまみ食いしよーとしたこそ泥を消してから行きまさァ」 始まった桂と沖田のリアル鬼ごっこを見送り、チラリと視線を部屋に移す。 「…修理代も請求してやろ」 .
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