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始まりはなんてことのない、当たり前のような月夜の出来事。
些細な日常の第零話から『すでに始まっていた』。
――――俺はただ『コンビニでガリガリ君でも買おうかな』なんてぼんやりと考えていただけなのに、
『第一話の少女』は
突如として、脈絡もなく、毅然として俺の『第零話の俺』を奪い取っていった。
「―――貴様が、『観月兜兎』だな?」
俺がなんの気もなく近所のコンビニまでの僅か数100mの距離をえっちらほっちら歩いていると、『ソレ』は姿を現した。
『ソレ』は、見るからに厨ニ病を全開している黒のゴスロリ衣装に身を包んだ『少女』だった。
小学生?よくよく頑張って中学上がりたて、といった位の容姿だったが、背中にはその華奢な体に似つかわしい『銀色の斧』を背負っていた。
『鉞(まさかり)』っていうのかね?アレは
なにあれ?作り物?
何かの漫画かアニメのコスプレかしら?
そんなことを考えながらも、ふと状況的に俺の脳内にポケ○ンのモンスター出現時のBGMが流れていた。初代の
『野生の幼女が現れた!▼』みたいなね。
ロリコン大歓喜!俺はロリ趣味はないけどな!!
「――そうだけど、何かご用でござるかお嬢さん?
俺、君みたいな娘とフラグ立てた覚えないんだけど」
無論『たたかう』や『どうぐ』なんて選択肢が有るわけでもなく、『にげる』のもアレなので、取り敢えずその彼女の言葉に応じてみる事にした。
え?あとひとつ選択肢があるだろって?
そんなすぐ出てきてくれる友達居ないのよ、泣きたくなってきた。
「ふらぐ?……まぁ良い。お前に用があってな
此処では何だ、場所を移そう。」
ゴスロリ少女たんはそれだけ言うと、背中に背負っていた銀色の斧(鉞だっけ?)を軽々と引き抜き
『俺に向かって降り下ろした』
瞬間、俺の意識はその場でまさしく言葉の通り、『刈り取られた』。
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