悪夢からのスタート

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「何者だ!何故此処にいる!」 ぁ…… なんか、危ないかも。 見るからに、厳つい2人だ。 あぁ! なるほど! そう言うことか! 多分、門兵がいたら、警戒心を見せてしまう。 すると、門には近づかない。 それでは困る。 そのため、不審者(わ、私も?)が来たときだけ門兵は姿を現す。と言うことか。 ふーん…… 喧嘩売られてるみたいな感覚だわ。 そんなに舐められてるわけ? それなら、こちらもそれなりの態度をとらせてもらうわ。 「あのぉ……私、時空界から来ました、サチで御座います。妖界の長、春野希乃様にお目通り願いたく……」 「得体の知れぬ者を我らの頂点の御方と会わすわけにはいかぬ」 ムカッ! いくらなんでも、そんな言い方しなくたっていいじゃない! 「そうですか。この時空界の長、波風幸の願いが聞き届けられないということですか」 私は、身分なんか隠さない。 「政について、希乃様に用があるのです。お通しください」 「駄目だ。妖界のルールだ。余所者を妖界に入れるわけにはいかぬ」 なおも、通してくれない、門兵たち。別に妖界を荒らしに来たわけじゃないのに。 「あら?波風幸さんじゃない?」 大人っぽい裏には子供らしい無邪気な面影が残る少女が私に気付いた。 「希乃様……」 門兵が呟いた。 「彼女を私が招待します。門を開けて……」image=392610690.jpg
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