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『信じられません?』
私は疑いの目で夢桜の精を見る。
よく見ると、少女で有るが、何となく私よりも年上に見えなくもない。
『信じる方が難しいかも知れないね』
でも、口調には未だ幼い喋りが残っている。
「ねえ、妖精さん。貴方は私を現実世界へ返してくれるって言ったよね。死ぬ寸前の私をどうやって現実世界へ返すの?」
私は、疑問だった事をはっきり聞いた。
『貴方には、悪夢を視て貰います』
悪夢??
益々解らない!
妖精が現れた時点で不思議なのに、今度は【悪夢を視ろ】?
戸惑いを隠せない。
妖精の言い分はこうだった。
一度死ぬ運命を選んでしまった哀れな魂には、何かの切欠によって、復活のチャンスが与えられる。
チャンスを掴み取れる場所が此処。
【空間の花園】
一番深い眠りをすると言う『悪夢』。
それ故此処に有る、夢桜には不思議な力が有り、生命力が強くなるらしい。
それが、何故か生き返る迄生命力が強まる事から、【空間の花園】に来た瀕死の魂に復活のチャンスが与えられる。
悪夢から目覚める=生命力が強くなる……らしい
……つまり、私は復活出来る哀れな魂として、夢桜に此処へ招待されたんだ。
『説明終了。そして、見事自分の力で目覚める事が出来ればチャレンジ成功。復活する事が出来るのです』
妖精は何かを呟いた。
私には呪文に聞こえた。
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