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妖精が呪文を唱え終えた途端、眩い光が辺りを強く照らした。
あまりにも眩しかったから、私は思わず目を閉じてしまった。
しかし、直ぐに光は消えた。
恐る恐る目を開けてみると、宇宙空間の中に居るみたいだった。
夢の輪廻を廻る廻る…!!
前方には妖精。
その後ろに私。妖精の後をついて行く。
突然妖精が止まった。
目の前には大きな扉が有る。扉の上の方に私の名前が彫られていた。
《波風幸》
『この扉の中の世界へ行った瞬間、貴方のチャレンジが始まります。目覚める方法は自分を見失わない事。………生きる希望』
妖精の言ってる意味が解らなかった。
でも、信じられなかったこの妖精。
今の私は信じていた。復活?未だあまり実感が無いけど、これが嘘な訳無い。
こんな手の込んだ嘘、誰もつかない。
だから、私は信じてみる。
未だ私は現実世界でやり残した事が有る。
少しでも延命出来る可能性が有るなら、それに賭けてみたい。
『私のナビは此処でひとまず終了。次会うのは、貴方が目覚めた時……』
妖精の姿が幻覚が解けるように、揺らいでいる。
私は必死に言った。
「貴方の名前を、今聞きたい。悪夢の中で希望にしたいから。貴方の名前は?」
『チェリーよ』
「ありがとう、チェリー。また会える時迄!」
私は懸命に声を張り上げ、叫んだ。
それがチェリーに届いているかは別として。
私は扉の方を向き、勢い良く扉を開け放った。
すると、またも眩い光に辺りが包まれた。
光の中に、1人の少女が見えた。
(あれは………私?)
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