夢の中で……

1/5
前へ
/212ページ
次へ

夢の中で……

私は、夢の中に迷い込んでしまった。 私の能力、完全には消滅してなかったんだ。 それが嬉しいことなのか、悲しいことなのかは、判らない。 私の能力。 それは、何処へでも行けるチカラ。空間を移動出来るチカラ…… どうやらあの約束の刻(とき)が来たようだった。 そう。 私の、命の終わりが…… その前兆だ。 楽にあの世へ逝けるように、神様が計らってくださったんだ。 あの時の契約の刻がいま訪れようとしていた。 母、桜と父、翼を殺したときのあの契約。 忘れる筈もない。 今だって、後悔している。死ぬなら、両親を殺す必要無かったかも知れない、と。 しかし、狂乱していた、両親を止めるには殺すしか手立てが無かったのだから仕方がない。 あのまま放って置いたら今頃世界はどうなっていたか……
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加