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夕食を終え、俺は彼女としばらく会話を楽しむことにした。自分の事は、まさか異世界から来た人間だとは言えるはずもなく、西の方から来た旅人とだけ言っておいた。この村に寄ったのは旅費を稼ぐためで、たまたま彼女と出会ったと
「そうですか。ところでキョウスケさんは今夜はどうするおつもりなんですか」
「お恥ずかしいことに、まだ宿を決めていなくて。フィーナさんはどこかおススメの宿などありませんか?」
「いえ、ギルドの方に契約なさったのでしたら、何かしら宿泊施設は用意されているはずですけど、正直あまり衛生的だとは言えません」
「そっか、どうするか……」
悩んで腕を組んでいると、ふよふよと頭上を無言で飛び回っていたナビが不意に口を開いた
「今マデ通り、野宿デモ良いんジャないか?」
「野宿!?」
その一言に、彼女はその端正な面立ちを崩し、驚愕した表情を見せるとテーブルの上に身を乗り出しまくしたてた
「そんな、一人旅でそんなことをしては危険ですよ!夜は夜行性の魔物が多く活動するんですから、村の外などにいたらいつ襲われるか!」
「あ、大丈夫です。こいつが寝ずの番で周囲を見張ってくれるんで」
「ソウダ、俺サマの偉大サがワカッたか。崇めピョ!」
語尾が変化したのは頭上で五月蠅かったので俺が叩き潰したからだ
「ふむ、そうですか」
そんなやり取りをしている間に、目の前にいた彼女は座り直し腕を組んで何やら考えていたようだ
その格好をしていると彼女のあれとかこれとかが強調され思わず別の方向を向いていたのはしょうがないだろう
「わかりました。キョウスケさん!」
そうしているうちに彼女は何かを思いついたのかおもむろに立ち上がりこう言った
「しばらくここに泊っていきませんか?」
「……何故そうなります?」
思わずそう聞き返していた
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