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「えっとまずは、農園での採集の手伝い、こちら銅貨十枚になります」
チャラと音を鳴らしながらカウンターの上に小さな袋が置かれ、俺はそれを拾い上げ中身を確認する。うん、ちゃんと十枚ある
ここで一応通貨の話をしよう
大体目安として銅貨五枚で飯付きで宿に一泊泊まれる。普通に生活する分には一日銅貨一枚で何とかやっていける
銅貨五十枚は次に価値のある銀貨一枚と同じ価値があり、銀貨五十枚は金貨一枚に等しい
上手くいけば金貨一枚で一年はしのげる計算だ
まぁそんな解説をしている間に目の前に次々と小さな袋が並べられる
「こちらが、キノコの採集依頼の報酬銅貨三枚、赤身草の採集依頼が銅貨八枚、裏庭の草刈り銅貨二枚、牧場の手伝い銅貨十五枚に依頼主からのボーナスで追加の銅貨二枚です」
「とすると、銅貨四十枚だな」
「けっ、雑用ばっかじゃねぇか。どうした?あんだけ大口叩いときながら実は無理だったって口か?」
すぐ隣でバカみたいに笑うそいつを無視して俺は羽織っていたマントの内側に手を突っ込みあるものを取り出した
「あと、わるいんだけどもう一つ受けてた依頼なんだけど。鎧虫の核を五個納品すればいいんだよね?」
「はいそうですけど?」
キョトンとした表情で受付嬢が聞き返し何を言いたいのかはっと気付いたのか首を振った
「ダメですいけません!幾らなんでも数をごまかすのはいけません!!ルール違反です」
「そっかそれは残念」
「ええ、幾ら大変でも、後一個で依頼数に達してもごまかすのは」
「三十個ほど獲ってきたんだけど、余った分はどうしたらいいんだ?」
取り出したネットの中でひしめくその半透明な球がテラテラと妖しく光を放っていた
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