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俺の名前は、錺恭介(カザリキョウスケ)。ついこの前まで高校二年生をしていた
今は何かって?
「すんません、ギルドに登録したいんですけど」
本日、ギルドデビューだ
どういう理由だか知らないけど、俺は剣とか魔法とか魔物とかが存在する世界に飛ばされてしまった
飛ばされて、一番初めのコメントは
「ふざけんな」
何が悲しくて、こんなわけもわからない世界に飛ばされなくちゃなんねぇンだよ!俺じゃなくても、某電気街で遊んでいる浪費者にでもさせろよ!そいつらなら喜んで世界を救う勇者とか、世界征服をたくらむ魔王とかやってくれるぞ!
とか、文句を言って事態が良くなるわけもなく、しょうがないからこの世界で順応してやっていかないといけないわけなんだ
というわけで、とりあえず金を稼ぐことにし、いろいろ聞き込みをした結果ギルドと言う集まりに参加することにした
「それではこちらの用紙に重要事項を読んだ上で必要事項を記入してください」
そう言って、カウンターにいた長いひらひらのスカートを身に付けた清楚な感じのお姉さんから何やら文字とかが書かれた一枚の用紙と羽ペンを渡される
当然、来たばかりのわけの分かんない世界の文字なんか書けるわけもなく
「……おい、ナビ。代わりにやってくれ」
「けけけ、人使いが荒いネ」
カタカタと歯車やらネジとかを動かしながら、服のフードから球状のそれが現れた。何やら複雑な幾何学的図形を表面に彫りこまれたそれは、球状の身体からトンボの翅の様の物を二対生やしていた
「オイ、ここんトコの“死んでも文句ありません”は○でいいカ?」
「しょうがないからよし」
目はないはずなのに読み上げるそれは、その身体に唯一存在する口で羽ペンを咥えすらすらと書いていく
これは、このわけもわからない世界で唯一頼りになる俺の暫定的味方、ナビ。この世界に来た時になぜかゲットした俺の力の副産物で俺の補助をする存在。ナビと言う名前は俺が命名した。めんどくさいから、一応案内代わりになるからNAVIGATIONからナビ
「戦闘スタイルのトコロは“近接”にする?それとも“ヘンシn”」
「“近接”にしとけこのヴォケナビが!」
ガツンとその羽根で浮遊する身体に拳骨を食らわせ、机に叩きつける
辺りからはそんな様子に対する奇異の視線が集まる
「あ~、こいつは俺のゴーレムなんで気にしなくて大丈夫ですよ~」
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