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やっぱり派手に倒れたんだなー、あたし。膝を見てみると、膝から血が少し滲んでいるのが見えた。
多分体育館の床に擦れたんだろうなァ。痛いってほどでもないけど。
「これくらい大丈夫!」
あたしは大丈夫だって証明するために、素早く立ち上がってみせた。実際にそこまで痛くはないし、ボーっとしてて倒れたとかカッコ悪いし。
なのに沙希は、何言ってるの! なんて言って怒っているみたいに、口をへの字に曲げた。
「ダメだよ! 何かあったら大変なんだから保健室行こう!」
「本当、大丈夫だって」
沙希はあたしの腕を引っ張りながら保健室に連れて行こうとする。心配してくれてるのは有り難いけど、怪我人に対する配慮のかけらもないのか。
「柿迫さん、大丈夫だった? ゴメンね?」
あんまり関わりのない子があたしに話しかけてきた。睫毛バサバサし過ぎてて、風がおきそうな女の子。確か名前は城ケ崎さん。某アニメの女の子みたいなおしとやかさはなく、ケバさだけがとりえみたいな女の子……は言い過ぎか。
ていうか、あたしに謝るって事はきっと押した張本人なのかな。それは謝るのが正しい。
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