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けど不思議かも。城ケ崎さんはいつも、誰かにちょっとぶつかっただけじゃ気にしないような神経図太い子だって沙希が言ってた気がする。余程あたしが派手にこけたのかな。
「あたしが怪我させちゃったんだから、あたしが連れて行く」
城ケ崎さんはあたしを掴む沙希の腕を引き離しながらそう言った。ニコニコとする城ケ崎さんとは対象的に、引き離された沙希は眉をしかめている。
「何すんの? あんたは体育やってていいから。未緒は親友のあたしが保健室に連れて行く」
沙希は冷めた顔でそう言った。やっぱりあたしが怪我してる事は二の次だぞ。
すると、遠くにいた女の子達が騒ぎだして、何故かこちらに向かって走ってきた。
「保健室行くんでしょ!? 私が連れてってあげる!」
「あたし!」
「私が!」
「えーと……」
怪我しているあたしをよそに、みんなで何やら言い争っている。なんでみんなしてあたしを保健室に連れていきたいのかな?
候補としたら二つほど上がる。
1、体育をサボりたい
2、皆はあたしが大好き
あたし的には2番がいいけど、そんな事言ったらみんなに怒られそう。やっぱり1かな。
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