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ママもその視線に気付き、表情を固くした。
「王女殿の故郷……久しく国交を閉ざしていた魔法界から、ある通達が届いたのだ」
夜斗は再びあたしを見る。
「“不浄の者、16の年月が廻る時、稀少なる血を求め、真の姿を現すであろう”」
「御祖母様が予言なさったのね」
ママがぽつりと呟く。
「その通りだ」
「ちょっと待って。あたしにも分かるように説明して。不浄がどうとかって何なの!?」
あたしは二人のやり取りをまだ理解出来ず、予言と言われても胡散臭さしか感じれない。
「不浄……つまりはその身体を血で汚した者のことだ。そして稀少なる血を持つ者は乃亜、お前だと考えている。いや、それ以外考えられない、と言った方がいいか」
「それは分かるけど……でも、バンパイアなんだから、多かれ少なかれ血で身体を汚しているのは仕方ないんじゃないの? それがどうして、その……始祖? って人に繋がるのよ」
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