訪問者§side乃亜

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確信した理由は瞳の色だけじゃなく、キッチンから響く金属音。 ママが魔法で鍋を掻き回しているんだろう。 人間がいる前では、当たり前だけど魔法は絶対に使わない。 つまり、夜斗が人間じゃないということ。 じゃあ夜斗はバンパイアか――魔法使い? あたしはハッとして声を上げる。 「パパ、ママ! もしかして夜斗は捕まえに来たんじゃないの!?」 声を上げるのと同時に立ち上がり、夜斗を指差す。 「捕まえに来たのならば、こんな所で悠長に話してなんていないさ」 答えたのは夜斗。 もう瞳は黒に戻っている。 けれど学校とは明らかに雰囲気が違い、黒であるはずの瞳の中に妖しい光を見た気がした。 .
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