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ソファーに座り直すあたし。
不穏な空気が充満していて落ち着かない。
「回りくどいのは嫌いだ。単刀直入に言う。俺は怜と同じバンパイアだ」
唐突に夜斗は話し出す。
予想はしていたのでさほど驚きはなく、やっぱりとだけ漏らす。
「そのバンパイアが、パパやママを捕まえに来たでもなく、何の用なの?」
「乃亜に用があって来た」
「あたし……に?」
これは予想しておらず、眉根を寄せ目を丸くする。
夜斗の向こう側にいるママが、パパの肩に手を乗せてうなだれるのが視界の端に映る。
その光景が不安を煽る。
「そうだ。お前の中に流れるその血を狙ってる者がいる」
「あたしの……血を?」
眉間の皺を濃くし、聞き返す。
恐怖というよりも、何故という思いが先行した。
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