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パパとママは、ただ黙って視線を下に落としている。
カチャカチャと鳴る金属音がやけに大きく聞こえるのは、皆沈黙を守り、息すらしていないんじゃないかと思うほど。
沈黙に息苦しさを覚え、あたしは敢えてその沈黙を破る。
「じゃあ、あたしの血が狙われているのが、夜斗が此処にいる理由なの?」
「そうだ。俺は乃亜を護る役目を受けて来た」
「あたしを護る? どうしてそこまでする必要が……」
自分で話していてあることに気付き、最後まで言葉を綴らなかった。
「バンパイアとハーフの血を誰かが必要としているの?」
夜斗は鋭い目をし「そうだ」と頷くが、直ぐに否定の言葉を述べる。
「いや……断定はまだ出来ないが、我々はそう考えている」
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