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「不浄の意味が示すところは同族殺し。それに他ならない」
自分の血を狙われていると聞いても恐怖しなかったのに、夜斗の声が余りにも冷たく、背筋に冷たいものが走る。
そして、あたしは同族をも殺した人に狙われているんだと知り、冷たいものは全身にまで及ぶ。
「始祖は使用人を三人殺し、姿を消したんだ」
恐怖に震えるあたしに、夜斗は更に続けた。
「そんな人から夜斗はあたしを護れるの?」
「それが俺に与えられた任務だ。この命を懸けても護り通す」
夜斗はきっぱりと言い放つが、ぞくぞくとした寒気はあたしの身体を襲い続ける。
「夜斗。君がいくらセカンドアビリティーを持っていても、始祖に勝てるとは思えん」
パパは聞き慣れない言葉を言い、血の気を無くした顔を横に振る。
あたしの顔も、きっと血の気を無くしているんだろうな。
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