訪問者§side乃亜

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パパとママに見送られ夜斗は玄関に行き、ドアが閉まる音がした。 パパの言う通りあたしは混乱していて、ソファーから立ち上がれずにいたが、閉まる音で弾かれたようにあたしも玄関に向かう。 「ちょっと下まで夜斗を見送ってくる!」 パパとママに言い残し追い掛けた。 夜斗はエレベーターの前にいて、あたしに気が付くと少しだけ眉を上げたが、直ぐに戻した。 「なんだ?」 「ここじゃアレだから、とりあえず下まで降りよ」 人がどこかの部屋から出て来たら、バンパイアとかってワードを聞かれちゃ色々とマズイもんね。 聞かれたところで、何のことかは分からないだろうけど、ゆっくり話をする場所としては不適切なのは違わない。 無言で夜斗とエレベーターに乗ると下まで降り、エントランスを出て少し歩くことにした。 .
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