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これは数分前。
大羽が迫る警察官から逃げている時だった。
逃げているとはいえ、何度も道を曲がり、大通りを避けて歩いていた。
「こんにちは。あ、でもこんばんはか」
同じパターンだと思い、振り向くと見覚えのある人物だった。
しかしそれは出会った事のある見覚えのある人物ではなく、出会った事のない見覚えのある人物だった。
「逃げてるんですよね。私もです。あなたの境遇は知っています。だからこれを」
その男は慌てて携帯電話を渡してきた。
それは電話しかできないタイプ。
「世の中冤罪は起こるんです」
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