1部 容疑

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「な、なんなんだ」 「あなたの追われている理由は知りません。ですが警察はあなたを追っています。だから逃げてください」 男は笑う。 何かを押し隠すように。 悲しみや苦しみを背負っているようにも見えた。 「あ、あとあなたが逃げた方向からしてあちらに警察がいるんですよね?」 「あ、ああ」 「妨害してみます。憎むべき相手もいるんで」 そう言って男は走り出す。 大羽が来た道とは別の、大通りへの道に。 「なんでそこまでするんですか?」 「警察は格好いいんです」 まるで死すら構わないというような表情に、大羽は追いかけることはしなかった。
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