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「な、なんなんだ」
「あなたの追われている理由は知りません。ですが警察はあなたを追っています。だから逃げてください」
男は笑う。
何かを押し隠すように。
悲しみや苦しみを背負っているようにも見えた。
「あ、あとあなたが逃げた方向からしてあちらに警察がいるんですよね?」
「あ、ああ」
「妨害してみます。憎むべき相手もいるんで」
そう言って男は走り出す。
大羽が来た道とは別の、大通りへの道に。
「なんでそこまでするんですか?」
「警察は格好いいんです」
まるで死すら構わないというような表情に、大羽は追いかけることはしなかった。
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