彼岸花<土ミツ.過去>

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     悴む指、息を吐くと 白い息になる。 まだ10月というのに、 この異常な寒さだ。 俺は煙草を吸うために 仕方なく縁側に座った。   * 彼岸花    俺は愛用のライターで 煙草に火をつけた。  空を見上げると、 まだ昼だというのに しんみりとしていた。 決して良い眺めでは、 なかったが空を見つめる。  ふいに、下を見ると いつの間に咲いたのだろう。  彼岸花が咲いていた。 思わず見とれてしまう。  特別美しいわけではない、 だが彼岸花にはたくさんの 思いがあったのだ。  それは昔のお話・・・・。    
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