一章

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橋本の頼みとは、他でもない下里先生の殺人事件を捜査して欲しいと言うのだ。 「なんで俺に?」佐山は聞いた。 例の事件のことを知っている人間がそうはいないはずだと思っていたが、 「私、佐山君と同じ中学の吉田さんに聞いたの。」 との橋本の言葉に佐山は声を失った、 吉田雪絵、中学の時にミス研の部長で俺達が事件に関わる大元を作った女。 「このままじゃ、安藤君が犯人にされちゃう。 安藤君は下里先生を殺すはずないの。お願い…安藤君を助けてよ…」 今にも泣き出しそうな橋本に佐山は断りきれそうにないと思った。 「まったく、吉田に関わるとろくなことない。」 と毒づきながらも引き受けた。 こうして、その後、前橋や鈴本に協力を得て、 学校や警察に内緒で捜査を開始した。
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