二章

3/10
前へ
/88ページ
次へ
しかし、この調査は想像以上に大変なものだった。 事件が起きた時、学校に残っていたのは八人、 警察の事情聴取時、それを言わなかった人物は三人、その中に安藤の名はなかった。 「結局安藤はシロか。だけど、容疑者の一人だと思われているぐらいだなんかあんだろ。」 前橋が顔をしかめてこう言うと、 「とにかく、この三人に話を聞いてみないとならないだろう。警察に嘘をつくぐらいだ。後ろめたいことがなんかあるぜ。」 鈴本の意見をいれ、俺達はその三人に話を聞くべく、教室を後にした。…が、 「なあ、そのうちの一人の星大器(ひろき)はこのクラスだぜ。」 と言うことで星を待つことなした。 事件当日の事を聞くと星はさっと青ざめた。 「そう言えばお前、死んだ下里にはだいぶ、目をつけられてたな。」 事件当日の事を喋ろうとしない星に佐山はこう切り出した。 「ま、まさか、そんなことぐらいで…」 遂に星はその時の事を話し初めた。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加