序章

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学校へと行くとあちらこちらから掛け声が聞こえてくる。 おそらくと言うか、朝練をする生徒の声だ。 鈴本もどこかで朝練をしているだろう。 教室に入り、ホームルームまでの時間を佐山は本を読んで過ごそうとした。 前橋は佐山のそばで暇だを連呼している。 「うるせえな!関係ねえだろ!」不意に聞こえてきた怒声に教室は静まった。 そして、教室の入り口から入ってきた人物にみんなの視線が集中する。 その子は少しばつの悪そうな顔をして自分の席についた。 佐山はその子の名前を思い出せず、まあいいかとばかりに再び本を読み初めた。 しかし、これがとある事件の幕開けになろうとはまだ、誰も知るよしもなかった。
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