28人が本棚に入れています
本棚に追加
夜の学校、部活も終わりようやく辺りが静かになって来た。
「なあ、知ってるか?この二宮金次郎像、夜になると走るらしいぜ。」
一人の生徒が気味が悪そうな表情をして二宮金次郎像を見上げた。
「ちょ、ちょっと止めてよ。」もう一人の生徒が怖がり自分の腕を抱えた。
走る二宮金次郎像…この手の怪談はある程度古い学校であれば、いくつかあっても不思議ではない。
「…誰かいるのか?」穂村高校の教師下里庄一は暗がりに人影が走っていった方向に声をかけた。
そこは部室棟があり、例の金次郎像がある坂道へと道が続いている。
人影が走っていった建物の影をそっと覗いてみた。
「な!何、金次郎像?だと…?」ゴツッ!次の瞬間、下里は昏倒した…永遠に…
「あ、あんたが悪いんだ。あんたが…」
最初のコメントを投稿しよう!