恋人として

4/8
前へ
/28ページ
次へ
  「寒い時には、鍋が一番だよね」   護は、森林の近くへ来ると笑った。     「そうだな。護、今日はキムチ鍋にするぞ」   「うん!キムチ鍋の後にはケーキだよ」     そう、2人は、クリスマスには会えなかったため、年末にそれを兼ねるつもりでいたのだ。       コタツの上に、コンロと土鍋を置き、調理を始める森林。     護は、その様子をじっと見つめていた。     料理をする時は、だいたい森林がやる。 得意なのもあるが、森林が、護に手伝わせないようにしていた。 それは、森林の気づかいだった。     「さあ、いい感じになってきた。護、食おうか」   「うん、おいしそう」     向かい合って、コタツに入り、2人は鍋をつつき始める。     「うまいな」   「少し辛いけど、おいしい!」     鍋を食べ終わると、2人は小さなケーキを食べ始めた。   「クリスマスは会えなかったけどこうしていられるのは嬉しい」   護は、ニコッと微笑む。 それを見た森林も、微笑んだ。  
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

109人が本棚に入れています
本棚に追加