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「ごめんねジュン子ちゃん。待った?」
「あ、いえ。」
「ちょっと仕事が長引いちゃって…あ、ホットコーヒーで。ジュン子ちゃんは何か飲む?」
「…あの、お構いなく。」
「いいよ。遅れたお詫び。奢ってあげる。」
「いえ!そんな待ってないです!」
「ここは大人しく奢られときな?俺がカッコ悪いから。」
「…う。え、と、じゃ、冷たいミルクティーで。」
「はい。以上で。」
「…なんか、すみません。」
「いいよ。言ったじゃん。俺が悪いから大丈夫。」
「…アリガトウ、ゴザイマス。」
「うん。えっと、それで?俺に話しって何かな?」
「…あ、あの、ミキの事で、ちょっと…。」
「…だよね。ジュン子ちゃんが俺に話しって言ったらそれしか無いよね…。」
「…あの、どうしてミキ何ですか?」
「それを言うなら俺が聞きたいね。」
「え?」
「どうしてミキなの?どこで知り合ったの?」
「あたしは、今、吹奏楽の一般団体に所属してて、そこで。」
「あぁ、そっか。あいつ楽器やるもんな。何やってんだっけ?」
「テナーサックスです。」
「あぁ、そうなんだ。君は?何やってるの?」
「トランペットです。」
「…ラッパか。」
「はい。」
「そこで仲良くなったわけだ?」
「はい。話しも合うし、2人で色んな演奏会行ってるうちに、なんか、自然と…。」
「そっか。どっちから告白したの?君から?」
「いえ。ミキから。」
「…うわ、意外。」
「そう、ですか?」
「昔から相手に言わせるの上手いやつだからさ。てっきり今回もそうかと。」
「昔から?」
「大学の後輩なんだ。ゼミが一緒だった。その頃からミキはよくモテた。」
「よく、モテた。」
「…男からね。」
「…お、おと、」
「あいつ、自分でゲイって言ってたからな。」
「…げ、げい?ばい、なんじゃあ?」
「だから、ビックリしたんだよ。ミキが女性を好きになるなんて。ましてやミキから告白したって言うじゃん?」
「…えっとー、まぁ、」
「一体、どんな魔法使ったの?俺からミキを取るなんて、なかなかやるじゃん。」
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