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「いつから?」
「え?」
「付き合いだしたの。いつから?」
「…えっと、…2ヶ月前から、デス。」
「…やっぱりかぁ。」
「やっぱり?」
「最近、アイツ付き合いが悪いと思ってたんだよ。…平日に連絡がつかないのは仕方ないとしてもさ、…金曜の夜か土曜の夜くらい空けといてくれてもいいんじゃね?…とか思ってた。」
「………夜。」
「ま、ほら、俺たちあんまり日中外に出掛けたりする事出来ないからさ。どっちかの家で過ごすのがいつもなんだ。」
「…はぁ。」
「日曜日はお互い付き合いがあるし、次の日は仕事だからあんまり会わない。たまには一緒に出掛けたりもするけどもね。」
「…そうなんですか。」
「それがここ2ヶ月。日曜日は絶対連絡来ないし、金曜や土曜の夜もなかなか会ってくれない。たまに思い出したように連絡がある程度。…誰だって変だと思うじゃんか。」
「…そうですね。」
「だから、申し訳ないけど、ミキの携帯を見た。」
「…見た、んですか?」
「見た。」
「…メール、を?」
「見た。ごめん。」
「…。」
「そしたらジュン子ジュン子ジュン子って、ずらっと君の名前が並んでたけど、正直その時は気付かなかった。俺はてっきり、ミキは誰か別の男と会ってると思ってたんだ。」
「…あ、なる程。」
「でもどんなに探してもそれらしい男の名前は見つからない。…なら次は『ジュン子』ってのが怪しい。『ジュン子』ってのはカモフラージュで、実は男じゃないかと疑った。」
「…おとこ。」
「で、中身を悪いけど見せてもらった。」
「…う。」
「でもやっぱりどう見ても女の子のメールっぽい。デコメはあんまり無かったけど、文章とかは女の子の文だし…。」
「一応…女です。」
「そうだよね。ごめんね?…結局、何も分からなくて、でも疑惑は積もる一方で、お手上げ状態になった俺は単刀直入にミキに聞くことにしたんだ。」
「ミキに?」
「隠し事してるだろう?付き合いが悪いぞ。ってね。そしたらあの日突然、この喫茶店に呼び出された。」
「…あぁ。」
「君に会っても正直半信半疑だった。そんなまさか、と思ったよ。きっと君も同じだったろうね。」
「…はい。」
「だよね。」
「…。」
「…君は、知らなかったんだから悪くないよ。」
「…すみません。」
「謝らなくていいって。別れる気はないんでしょう?」
「…はい。」
「…俺だって、引く気はないよ。」
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