Act.0 prologue

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「はい」 「その威力は大国を名乗りたい国々にとって、まさに必要条件だった。大戦終結後、彼らは核兵器を大量に作った。その中でもアメリカとソ連、今のロシアは大量に保有していた」 「・・・?」 「うん。まだ貴様にはすべてを理解できんだろう。だから記憶に留めておくだけでよい。話を戻すと、この二つの国は異なった政治体制で国を動かしていた。資本主義と社会主義だ。この二つの大国は地球を何回も滅ぼすほどの核兵器を保有していた。そして互いに主導権を持つための障害と考えていた。つまり――」 「どちらかが核兵器を使えば、もう一方も核兵器を使って仕返しをしますよね?」 「そうだ。だからどちらも攻撃しない。これが核抑止論だ。我輩はこう思うのだ。『あの時代がある意味平和だった』と」 「何でです? もしかしたら地球が滅んでしまうのに、何で平和なんですか?」
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