Act.0 prologue

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「あの時代、明らかに争うグループが少なかったからだ。貴様の学校のクラスに、いじめられている生徒はいないか?」 「いないことはないですけど・・・」 「それを例にとると分かりやすい。いじめるグループは仲が悪いか?」 「いや、いいですけど・・・」 「となると一個人から見れば、平和なのだ。いじめられている者には悪いがな。話を元に戻すと、資本主義のアメリカ内では平和だった。社会主義であったソ連も平和だったと言いたいところだが、社会体制のほうで平和ではなかったがな」 「師匠は何を言いたいんですか?」 「極論、平和というものは何か敵対する対象がなければ成立しないということだ。世界平和が難しい理由は、世界全体で敵対する対象がいないからだ」 「師匠がハッカーになった理由って、世界を平和にすることですか?」 「あぁ。その通りだ。さて、これで我輩から貴様に教えるものはすべて伝えた。我輩の教えを理解するのは時間が解決してくれるだろう」 「師匠・・・」 「では、卒業試験だ」
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