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「二人とも、俺は寝たいんだよ。てか、寝させろ」
だが、今はそんなことよりも現状打破が最優先だった。ああ、眠ぃ~
「はっはっはっ!安心しろ、佐久間。長い付き合いだ。私達だってお前のことはよく分かっているさ」
うっさいぐらいの快活な笑い声で、葵は俺が求めている返答をくれた。うん、物分かりの良い幼馴染みだ。
「んじゃ、お言葉に甘えさせて貰って、俺は寝させて貰おうか」
「まあ、それを妨害するために此処に居る訳なんだが」
「……………。」
前言撤回。
こいつぁ、俺の幼馴染みというプロフィールを持ち合わせていなかった。こいつぁ、あれだ、一般的に「敵」って言う部類だろ?
「はぁ~……眠ぃ」
「浩平君、今日何かあったの?いつにも増して寝不足気味だけど…?」
「雫、実はお姉ちゃん、昨日は佐久間の家で……。」
「はい、昨日はきちんと自分の家に居ましたよね~
大河ドラマ見ながら」
「流石は私の妹だ。誇らしいぞ」
「私は逆に貴女の妹であることが恥ずかしく感じます、お姉ちゃん」
「ほう…」
「えぇ…」
姉妹喧嘩。姉妹喧嘩。良い、四字熟語だ…。え?違うのか、これ?
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