―2、壬生浪士組―

8/21
前へ
/532ページ
次へ
「………土方さん?」 僕は、にっこりと土方さんの名前をゆっくりと呼んだ。 「……なんだよ?」 わかっていない。 土方さんの不機嫌な声。 「……総司?……君なら、わかるよね?」 ここは、僕より総司の方がいい。 「……ええ。平助。…わかりますよ。」 「…平助くん。私もわかりますよ。」 「…わしもわかるぞ。」 総司、山南さん、近藤さん。 他の無言は雰囲気で伝わる。 「…土方くん、ありゃ、……やり過ぎだな。」 …源さん、いつもは穏やかなのに、今日は怖い。 「…土方さんの気持ちは、わかるけどよぉ~。」 新ぱっさんの言葉に、左之さんは頷く。 「……そこまで、鬼になったのか……。」 一くん。目をなんで、閉じているの? 「…斎藤さんの言う通りです…」 静かに立ち上がり、総司は、鯉口に手をかけた。 土方さんは、益々、青くなっている。 「…いやっ……わっ、わ…り」 「…もういいですか?」 雰囲気が一気に壊れた。
/532ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1177人が本棚に入れています
本棚に追加